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井田 瑞穂*; 中村 博雄; 清水 克祐*; 山村 外志夫*
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.847 - 851, 2005/11
被引用回数:3 パーセンタイル:24.22(Nuclear Science & Technology)IFMIF条件下でのターゲットアセンブリ構造の熱的健全性を評価するため熱応力解析を実施した。強力中性子束の核発熱により、アセンブリ/背面壁間の熱伝達が15.8W/mKと小さい場合は背面壁に局所的に440Cの高温部が生じ、回転拘束の背面壁でも熱応力は最大で約500MPaとなり、リチウム流れに接する部分が2mm変位し、安定なリチウム流形成が困難となることを示した。熱伝達を150W/mKとすれば最大熱応力は約260MPaに軽減され、背面壁変位が0.3mmとなることを示した。これにより、現設計に対し、背面壁の拘束方法や冷却方法の考慮を加えることとした。次に、ターゲットアセンブリ全体の温度維持の成立性を評価するため温度解析を実施した。定常運転時に相当するテストセル真空条件0.1Paではアセンブリ,背面壁ともに温度がLi融点180C以上であるが、メンテナンス時の1気圧Ar雰囲気では180C以下となることを示した。同時に得られた必要なヒーター容量は15kW、熱遮蔽は0.2mm厚さのステンレス鋼で16層であり、これらの知見はターゲットアセンブリの設計見直しに反映される。
西谷 健夫; 山内 通則*; 泉 幹雄*; 草間 義紀
JAERI-Tech 2005-047, 34 Pages, 2005/09
ITERにおいてマイクロフィッションチェンバーは核融合出力を測定する重要な計測装置の一つである。マイクロフィッションチェンバーは真空容器内に取り付けられるため、高真空及び高温環境下で動作する必要がある。また核発熱とその除熱方法も考慮する必要がある。これまで、ITERの高出力運転用のマイクロフィッションチェンバーの設計開発を行ってきたが、今回は低出力運転用のマイクロフィッションチェンバーの設計を実施した。検出器は狭いギャップ内に取り付ける必要性から、全酸化ウラン量を1gになるようにマイクロフィッションチェンバーを並べて1つの検出器とする方式を提案した。12mm径と6mm径の2種類のマイクロフィッションチェンバーを基本要素とする、束型検出器を設計した。核発熱はMCNPコードによって評価した。熱輸送解析の結果、真空容器への熱伝達のみで検出器温度は250C以下にできることを明らかにした。
森岡 篤彦; 逆井 章; 正木 圭; 石田 真一; 宮 直之; 松川 誠; 神永 敦嗣; 及川 晃
Fusion Engineering and Design, 63-64, p.115 - 120, 2002/12
被引用回数:11 パーセンタイル:58.11(Nuclear Science & Technology)JT-60の超伝導トロイダルコイル化に伴う改修計画において、放射線遮へい,核発熱,線量の評価を行った。超伝導コイルの核発熱を数種の真空容器を模擬して評価した。その結果、コイルの核発熱への影響が少ない真空容器の構造を決定した。真空容器の構造は、ステンレス鋼の2重壁構造で内部には中性子線を遮へいするために厚さ100mmの水層を、そして、2重壁の外側には線を遮へいするために厚さ26mmのステンレス鋼を設置する構造とした。また、DD放電に伴い放射化による真空容器内の線量について評価した結果、真空容器内にフェライト鋼を採用することで、ステンレス鋼を用いたときに比べて30%近く、放射化量が低減できることがわかった。
甲斐 哲也; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 原田 正英; 坂田 英明*; 池田 裕二郎
JAERI-Conf 2001-002, p.786 - 792, 2001/03
これまで、1個の背面プレモデレータを共有する2個のモデレータセットを提案してきた。最高漏洩中性子束となる場所に2個のモデレータが同時に配置されている。また、拡張型プレモデレータは、冷中性子強度をより強くすることが示されており、拡張型プレモデレータの最適化により、さらに中性子強度を高められると考えられる。一方、強度を犠牲にせず、背面プレモデレータを省略して2個のプレモデレータを1個で置き換え可能と考えることもできる。またパルス特性の改善も期待できる。本論文では、主モデレータと拡張型モデレータの最適化を行った。その結果、1個のモデレータを用いた場合において、より高い時間積分、パルスピーク強度が得られ、モデレータ核発熱も低減された。よって、2個のモデレータを1個のモデレータで置き換えるべきであるという結論に至った。
石山 新太郎; 深谷 清; 衛藤 基邦; 菊池 満; 佐藤 育男*; 楠橋 幹雄*; 畠山 剛*; 高橋 平七郎*
日本原子力学会誌, 42(2), p.116 - 123, 2000/02
被引用回数:2 パーセンタイル:19.44(Nuclear Science & Technology)本研究では、JT-60SUの使用条件に基づき、将来の核融合炉大型構造材料として、低放射化、高比強度、非磁性であり、核発熱の少ない低コスト材料の開発を目標にMn及びCrを主成分とし、CとNを低減化した鋼種の製造並びに評価を行った。その結果、下記の結論が得られた。(1)Mn-Cr鋼種の新しい組織状態図を得るとともに、これをもとに安定したオーステナイト単相が得られる15.5Mn-16Cr-0.2C-0.2N組織を見いだし、その最適製造条件を把握した。(2)JT-60SU計画運転停止から約20年後において放射化レベルは、SUS316L等既存材料に比較して、1桁以上低い。(3)比強度は、SUS316Lに比して約2倍以上である。(4)熱伝導率は従来材より高く、運転中並びに運転停止後の核発熱による実験装置の異常温度上昇の危険性は少ない。
池田 裕二郎; 前川 藤夫; 春日井 好己; 宇野 喜智; A.Kumar*; M.Z.Youssef*; M.A.Abdou*; 今野 力; 和田 政行*
Fusion Engineering and Design, 42, p.289 - 297, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:49.22(Nuclear Science & Technology)本研究は、核発熱測定技術の開発によりITER構造材のD-T中性子に対する核発熱実験データを取得し、ITER設計に用いる計算手法及び核データの妥当性を検証することを目的とする。試験した材料はSS-316、銅、黒鉛、タングステン、クロム、ベリリウムで、全核発熱をマイクロカロリメータで、線発熱をTLDで測定した。解析は、計算コードMCNP-4A、KERMAを含む核データとしてJENDL-3.2及びFENDL-1を用いた。実験と計算の比較から次のことが示された。(1)銅、黒鉛、SS-316、クロム、ジルコンは計算と実験は10%以内で一致、(2)ベリリウムは、JENDL、FENDLともに発熱が大きく過少評価、全核発熱についてはJENDLが25%の過少評価、(3)タングステンでは、両ライブラリーとも、全核発熱、発熱両方で30%の過大評価が示された。ベリリウム、タングステンの核データ、特にKERMAの見直しが必要である。
池田 裕二郎; A.Kumar*; 前川 藤夫; 和田 政行*; 春日井 好己; M.A.Abdou*
Fusion Technology 1998, 2, p.1469 - 1472, 1998/00
ITER R&Dタスクとして、これまでにSS-316,Cu及び黒鉛体系を用いたD-T核融合中性子核発熱実験を実施してきた。得られた実験データを基に、主要構造材料(Be,C,Al,Si,Ti,V,Cr,Fe,Ni,SS-316,Cu,Zr,Nb,Mo,W)の核発熱計算に用いる計算コード及び核データの妥当性を検証し、ITER核設計における不確定性を明らかにした。検討した発熱に直接係わる中性子核データはFENDL-1,2及びJELDL-3.2であった。実験値と計算値を比較した結果、以下のことが示された。(1)黒鉛、Ti,Cr,Ni,Nb及びMoについては全ての計算は概ね妥当である。特に黒鉛については、JENDL/PKA-KERMAファイルが最も良い。(2)Al,Si及びVのFENDL-1に関しては、過大評価が顕著で修正が必要。(3)JENDL-3.2のBeの過小評価、JENDL-3.2及びFENDL-1のWの過大評価については、KERMAデータの再評価が必要である。以上、実験誤差は10%以内であるので本実験解析により有意な計算上の不備と、その原因のほとんどはKERMAデータに問題があることが判明した。
飯田 浩正; R.Pletenda*; Santoro, R. T.*; V.Khripunov*
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 2, p.837 - 840, 1998/00
D-T反応を行う核融合装置においては、冷却水中に生じるN-16からの高エネルギー線による極低温機器への熱負荷が過大とならないようにする必要がある。3次元モンテカルロ法により、詳細な熱負荷解析を行った。上部ポートの冷却配管からクライオスタット中に放出されるN-16線出力は~60kWである。このうち60%は配管束に吸収され40%がクライオスタット中に漏洩する。クライオスタット中の高温機器に吸収されるもの、さらに外側に漏洩するものを除いた数%(~1.5kW)が極低温機器に吸収される。これは既に許容できる程度に十分低いが、配管束の周囲にガードパイプが施けられればさらに1/5程度に減少する。
宮 直之; 林 巧; 鈴木 優*; 永島 圭介; 閨谷 譲; 豊島 昇; 鈴木 達志*; 菊池 満; 内藤 大靖*; 永見 正幸
Fusion Engineering and Design, 36(2-3), p.309 - 324, 1997/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.48(Nuclear Science & Technology)JT-60U以降の計画として、評価・検討を進めている定常炉心試験装置の遮蔽・排気処理系についてまとめた。薄板2重壁構造の真空容器の内部に遮蔽材を兼ねたボロン入冷却水を循環する水タンク方式とした。装置全体は40cm厚のコンクリート製クライオスタット内に格納する。低放射化材料としてこれまで評価してきたTi合金に加え、今回新たに代替案として、SUSとタングステンの組合せを提案し、線量当量の設定目標を満たす遮蔽構造を示した。ダイバータポートの実効排気速度20pam/s(30mol/h)を可能とする定常粒子排気系を検討した。プラズマ及びNBIからの排気ガスは燃料精製系で不純物を処理した後、プラズマ燃料として循環再利用する。本装置のDD放電では0.2g/年のトリチウムが発生する。トリチウム循環系は多重格納とし、緊急時の処理が可能なトリチウム安全処理系を検討した。
佐藤 聡; 高津 英幸; 真木 紘一*; 内海 稔尚*; 飯田 浩正; R.Santoro*
Fusion Technology 1996, 0, p.1587 - 1590, 1997/00
ITERトカマク本体の核特性を、トーラス軸を回転軸としたポロイダル断面モデルを用いての、2次元S遮蔽解析により評価した。遮蔽ブランケット、真空容器、上部ポート、水平ポート、下部ポート、ダイバータカセット、トロイダルコイル、ポロイダルコイル、クライオスタット、及び生体遮蔽体を含む解析モデルに対して、中性子及びガンマ線輸送解析を行い、コイル等の核的応答を評価した。開口部に遮蔽プラグを有する水平ポートと、有さない水平ポート(NBIポートを想定)の各々の断面に対して、解析を行った。その結果、トロイダルコイルの核的応答は、絶縁材の吸収線量等のピーク値は、設計基準値を満足したものの、コイル全体の核発熱量は、基準値を上回った。今後、ポート近傍等の遮蔽構造の見直しが必要である。
池田 裕二郎; A.Kumar*; 今野 力; 小迫 和明*; 大山 幸夫; 前川 藤夫; 前川 洋; M.Z.Youssef*; M.A.Abdou*
Fusion Technology, 28(1), p.156 - 172, 1995/08
核融合中性子場における構成材中の核発熱率に関する実験的研究を、1989年より日米共同実験の一環として進めてきた。核発熱を直接測定する方法としてマイクロカロリーメーターを開発し、主要構造材を含む15の物質について中性子照射中の温度上昇から核発熱率を測定した。実験解析をJENDL-3,ENDF/B-V,ENDL-85などのKERMAライブラリーを用いて行い、データの妥当性の評価を行った。本件では、Al,Ti,Fe,Ni,SS-304,Moなどの構造材及びLiCo増殖材について、これまでの結果を詳細に検討し、日米共同実験の共同論文としてまとめたものである。
池田 裕二郎; A.Kumar*; 小迫 和明*; 今野 力; 大山 幸夫; 前川 藤夫; M.Z.Youssef*; M.A.Abdou*; 前川 洋
Fusion Engineering and Design, 28, p.769 - 775, 1995/00
核発熱は核融合炉設計における基本的な核的パラメータである。カロリメーターを用いて開発した直接測定法により、14MeV中性子が支配的な場での主要構造材を対象とした測定データが、関連する核データの妥当性検証に有効であることを日米共同実験で示した。本件研究では、14MeV中性子のみならず、低エネルギー中性子及び2次線が支配的な遮蔽構造材SS304鋼中の核発熱率分布測定とその解析を示す。測定プローブとして、505050mmのSS304ブロックを用い、中性子照射に伴う温度上昇からSS304体系中の表面から深さ200mmまでの核発熱率を求めた。実験体系中の急な中性子束勾配に伴う熱流速の時間依存性を考慮し、ADINAT核熱結合計算コードを用いた計算値と測定値を比較した結果、20%以内で良く一致し、JENDL-3に基づくKERMA係数の妥当性が実験的に示された。
池田 裕二郎; A.Kumar*
Proc., Int. Conf. of Nuclear Data for Science and Technology,Vol. 1, 0, p.193 - 200, 1994/00
新たに開発したマイクロカロリーメーターによる14MeV中性子源FNSを用いて核融合炉構成候補材(黒鉛、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコン、ニオブ、モリブデン、錫、タングステン、SS316、炭酸リチウム)を対象に行った核発熱率測定実験を紹介する。さらに、JENDL-3等核データの核発熱率予測精度の検証を目的として、測定データをもとに行った実験解析結果を示す。本件では、これまでに行った開発研究を総合的にレビューすると共に、今後の研究課題、動向について述べる。
宮 直之; 永見 正幸; 中島 信治*; 中村 博雄; 牛草 健吉; 及川 晃; 西谷 健夫; 豊島 昇; 木下 茂美*; 中川 敏*; et al.
Fusion Engineering and Design, 23, p.351 - 358, 1993/00
被引用回数:1 パーセンタイル:17.88(Nuclear Science & Technology)JT-60の高性能化に続く計画として、トカマクの定常化研究を目的とした炉心模擬装置JT-60SU(中性子発生量1.010n/s,410n/s)における遮蔽構造の概念検討結果をまとめた。真空容器の低放射化候補材料としてAl合金とTi合金を比較検討した。合金としてTi-6Al-4Vを使用し、真空容器を厚さ25~40cmの薄板2重壁リブ構造として、1%のBを添加した冷却水タンク方式を採用した。この結果、一周抵抗~50、運転停止後1年後の真空容器内線量当量~15mrem/h、インボード側トロイダル磁場コイルの超電導材における核発熱1mW/cc以下、また同コイルの冷凍機容量は~11kWとなり、これらの結果は当初設定した遮蔽設計基準をほぼ満たし得ることを示した。
池田 裕二郎
放射線, 19(3), p.39 - 47, 1993/00
マイクロカロリーメーターを適用して14MeV中性子による核発熱率を直接測定する方法を開発した。原研FNSを用いて、核融合炉構成候補材、黒鉛、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコン、ニオブ、モリブデン、錫、タングステン、SS316、炭酸リチウムを対象として、14MeV中性子核発熱を照射中の温度上昇率の測定により導出した。得られた結果をもとに実験解析を行い、JENDL-3等核データの核発熱率予測精度の検証を行った。本カロリーメータの温度変化率測定限界は10K/sであり、これは中性子束が10/cm/s以上であれば十分な精度で直接的に核発熱の測定が可能であることを示す。本件では、これまでに行なった、実験及び解析についてレビューすると共に、今後の研究課題、動向について述べる。
前川 藤夫; 今野 力; 小迫 和明*; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 前川 洋
Fusion Technology, 21(3), p.2107 - 2111, 1992/05
ITER等の核融合次期装置の遮蔽設計で使用される安全係数の検証のために原研FNSの14MeV中性子源を利用して行われたバルク遮蔽実験の解析を行った。遮蔽体は厚さ1.12m直径1.20mの大型SUS16円柱である。解析には多群SコードDOT3.5とモンテカルロコードMCNPを使用し、核データセットにはJENDL-3から作成したものを使用した。解析の結果、しきい反応率と2MeV以上の中性子スペクトルでは両計算結果とも実験値との一致は良かった。keV領域の中性子スペクトル、Uの核分裂率、線スペクトル、線核発熱の結果はすべて似た傾向を示し、MCNPの結果は遮蔽体深部(深さ0.91m)まで実験値と数10%以内で一致したが、DOT3.5の結果は深部にいくほど実験値に対して過小評価の傾向がみられ、深さ0.91mの点では実験値の1/2~1/3と大きく過小評価した。
池田 裕二郎; 今野 力; 小迫 和明*; 大山 幸夫; 前川 藤夫; 前川 洋; A.Kumar*; M.Z.Youssef*; M.A.Abdou*
Fusion Technology, 21(3), p.2190 - 2196, 1992/05
核融合中性子工学に関する原研/米国DOE共同研究の一環としてカロリメトリック法によるDT中性子核発熱測定を進めている。真空容器で断熱したプローブ(LiCO,黒鉛,Ti,Ni,Zr,Nb,Mo,Sn,PbおよびW)中の核発熱による温度上昇を白金測温抵抗体及びサーミスタで測定し核発熱率を求めた。高精度電圧計の導入、スイッチングノイズの低減、バックグラウド温度の安定化を図り測定誤差を10%以内とした。実験解析は、JENDL-3を用いたDOT3.5による計算及びENDF/B-Vを用いたMCNPモンテカルロ計算により行った。核発熱率の実験と計算の比較により、計算に用いたKERMA係数の積分的な妥当性を検討した。その結果、JENDL-3及びENDL-85を用いた(KERMA)計算は、Zrを除き実験値を15%以内で再現することが明らかとなった。他のライブラリー(RMCCS,ENDF5T,MBCCS)はガンマ線の計算に問題が残り30%以内の一致となっている。
中島 宏
JAERI-M 92-025, 171 Pages, 1992/02
本研究では、先ずDT反応型核融合炉の遮蔽設計上重要な課題について一連の工学的ベンチマーク実験を実施した。それに基づいて、ITERの概念設計で用いられる遮蔽計算手法、DOT3.5及びMCNP-3の計算精度を評価し、計算手法の問題点の摘出を行った。さらに、現在開発中のBERMUDAについて検討した。304s.s.製段違い狭小スリット体系の中性子ストリーミング問題では、DOT3.5及びMCNP-3はITERの概念設計で想定されている計算精度で適用可能であることを示した。また、多段層スリット中性子ストリーミング問題では、MCNP-3が、316Ls.s.体系内の2次線核発熱問題では、DOT3.5がそれぞれ適用可能である。一方、316Ls.s.体系内の中性子深層透過問題及び大きな空洞内における中性子挙動問題では、BERMUDAが有効な手法であることを明らかにした。
真木 紘一*; 川崎 弘光*; 小迫 和明*; 関 泰
JAERI-M 91-073, 101 Pages, 1991/05
従来のGICX40用核発熱定数(KERMA)ライブラリーに代わるものとして、FUSION-J3用KERMAライブラリーを1990年4月に公開された評価済み核データファイルJENDL-3をベースに作成した。KERMAライブラリー中で中性子のKERMAファクターは、反応のカイネマティクスを考慮した直接法を採用して作成した。ガンマ線のKERMAファクターは、持っている運動エネルギーを核発熱として計算すればよく、中性子KERMAファクターのようにエネルギーバランス法を用いても問題はないのでそれを採用した。以上のKERMAライブラリーは、核融合炉の核計算に適用することができ、信頼性の高い核発熱の計算結果が得られるものと期待され、今後の核融合炉の設計に役立つものと考えられる。
原田 正英; 粉川 広行; 直江 崇; 涌井 隆; 羽賀 勝洋; 明午 伸一郎; 大井 元貴; 高田 弘
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源は、水銀ターゲットに3GeV、1MW陽子ビームを入射し、核破砕反応で発生する中性子を反射体・減速材で減速し、発生する中性子を中性子実験装置に供給する施設である。本研究では、入射する陽子ビームの形状やビーム入射位置が、水銀ターゲット容器の構造強度や発生する中性子特性に及ぼす影響を定量的に調べることを目的とし、水銀ターゲット容器の核発熱及び中性子強度の変化を測定した。ビーム形状をガウス分布とし、垂直方向に上下各々4mmの範囲で入射位置を変えた場合、中性子実験装置NOBORUで計測される中性子強度をHe-3カウンターで計測した。この結果、120meVの中性子強度の積分値は、中心に入射する場合に比べ、4mm下方に入射した場合は、約2.5%低下し、4mm上方に入射した場合は、約2%増加することがわかった。MCNPXコードとPHITSコードによる粒子輸送計算を行い、測定結果を比較した結果、両者はよく一致した。